天気が悪い日は気分が沈む、
冬は気力も体力も湧かない…

こんなことってありますよね。
または、あなたはそうでもなくても、
身近にこんな人がいるかもしれません。

関係ないようで深い関係がある
天気と気分

なんとなく、天気が悪かったり
昼間なのに外が暗いと気持ちも暗くなりがち。

逆に、日が差す外に一歩出てみると
気分が前向きになることもありますよね。

コロナ感染防止のための外出自粛と
コロナうつ

コロナ感染防止のため、外出自粛
物理的接触を絶つのはもっともらしい対策のようですが

ずっと家にいると気持ちがふさぐ
体を動かす場所がない、話し相手がいなくて発狂しそう、
コロナ鬱になりそう…

おそらく、外出自粛で窮屈な生活を強いられている方であれば、
ずっと家にいるのが心身によくない、というのは
なんとなく身をもって感じていることではないのでしょうか。

だからといって、感染リスクもありますから
たくさん外出しよう!と言いたいわけではないのですが

天気が悪い日や、明るい時間の短い冬に
気分が落ちやすくなったり、体の免疫力が弱くなったりする
というのは、実は栄養的な根拠があるのです。

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日光浴で合成される
ビタミンD

日光というと、紫外線=体に悪いというイメージが強く
夏になると神経質に長袖や帽子などで、全身を覆っている女性も多く見かけますが
実は、日に当たらなさすぎるのも、かえって健康には良くないことがわかっています。

日光を浴びることで合成されるビタミンがあります。
それは、ビタミンD

日照時間の少ない冬や、1日のほとんどを屋内で過ごす人、
ロシアなどの高緯度の地方の人では、
日光不足=ビタミンDが不足しがちな人が多いのです。

わたしのいつも買っている海外通販サイトでも、ビタミンDはロシア語のレビューが多くてびっくり。

高緯度地方&冬は
日照量が少ない

同じ日光を浴びたとしても、
南国の炎天下と、北国のうっすらした日差しとでは
同じ時間日光を浴びたとしても、その意味は全く違うもの。

ガラス越しの日光浴では
効果が乏しい

また、ガラス越しや日焼け止めを塗っても
直射日光に比べると、ビタミンDの合成はされにくくなります。

こればかりは紫外線の悪い影響もありますので、難しいですけれどね。

沖縄の8分は北海道の76分に相当
高緯度地方ほど日差しが弱い

真冬の日中で、沖縄では1日8分の日光浴で十分なところが
高緯度の北海道で同じだけの日光を浴びようとすると、なんと76分必要らしいです。

参考:
体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定-札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-

日光が弱いうえ、寒いから外に出ない

1日の中で、日中1時間以上外に出ている人って、
意外となかなかいないのではないでしょうか。

通勤でも、外歩くのってせいぜい多くても20~30分。
しかも冬だと帰る頃には既に暗いし、
寒いから車や電車にすぐ乗る人がほとんどですよねぇ。

毎日76分も外にいるって、そもそも寒くてしんどい。
ウインタースポーツをしたり、1日中外にいるお仕事でもない限り
北国の人は、冬の日光浴はまず足りていないと思っていても過言ではないかもしれません。

ビタミンDのはたらき

ビタミンDは、色々なはたらきがあり

  • 免疫系(抵抗力・バリア機能を保つ)
  • メンタルや認知能力の維持
  • 性腺・妊娠能力の維持
  • 骨形成
    (骨のカルシウム濃度を適度に保つ)
  • 心血管
  • 小腸粘膜の栄養

などに関与しています。

ビタミンDは骨のカルシウム濃度を保ったり、免疫力を保ったりしています。
また、意外かもしれませんが、メンタルや認知機能、生殖器官などにも関わりがあります。

つまり、不足すると免疫力が低下したり、骨密度が低下したり
メンタルや認知機能が関係する不調をきたす可能性があると考えられるということ。

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冬に風邪やインフルエンザが流行りやすい理由

冬は風邪やインフルエンザが流行りやすくなったりするのも
ただ単に寒いからとか、乾燥しているからというだけでもなく。

夏より日照量が減ることで、ビタミンDが不足して防御力が弱っているという要素も重なって
感染しやすくなっている可能性も示唆されています。

※食中毒などの細菌感染の場合は、高温の方がかえって細菌が繁殖しやすいということのほうが多く
逆に、夏場や熱帯地方で流行りやすいこともあります。

日照量とメンタルの関係

日光と気分が密接に関係しているのは
うつではない方でも何となく体感したことがあるのではないでしょうか。

なんとなく、どんよりした日とカラっと晴れた日では
気分も変わってきますしね。

冬季うつ季節性感情障害(SAD)と名の付くメンタル不調は
実際に、まだ暖かいけれど日が短くなり始める
9月頃から増えるとも言われています。

春に変質者が増えるのは
日照量と関係があるのか

それから、ビタミンDは性ホルモンと組成が似ており、
性ホルモンや妊娠に関与している可能性も示唆されています。

これは余談ですが
春になって暖かくなると変質者が増えると言われますが
これも日照量が増える時期と一致しています。

もしかすると、春に日照量が増えることで、急激にビタミンDが充足されて
意欲的な行動を促しているのかもしれませんよね。
(もちろんそれだけではないと思いますし
変質者が増えるのは望ましくないですが…)

メンタルと日照量は
果たして関係があるのか

メンタルの良い悪いって
なかなか数値化したり統計化するのが難しい指標です。

そこで、メンタルの良し悪しを裏付けるものは何か無いかと思い、
日照時間と自殺率の関係を調べてみました。

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自殺率と日照時間の関係を調べてみた

不謹慎に思う方もいるかもしれませんが
メンタル不調によって自殺を考えたこともある自分が、「自分事」として
よりよく生きるための策を考えるために調べたものです。

また、自殺というのはあくまで数値化しやすい一つの指標ではありますが
その陰には、自殺までせずとも(うつ病と診断されていない人も含め)気持ちが落ち込んで苦しんでいる人がいて、
そういった人数を数値化するのはとても難しいことだということも前提に付け加えておきます。

都道府県別の自殺率

まず、都道府県別の自殺率(2018年)はこちら。

黒いほど、自殺率が高い(自殺者が多い)傾向がある地域です。
なんとなく、東北地方が全体的に高いように見えます。

山梨・和歌山が近隣より突出して高いのも目につきますが
調べてみると、山梨と和歌山には自殺の名所があることも関係しているようでした。

都道府県別の日照時間

続いて、
各都道府県の日照時間のデータを調べてみました。

2018年のデータが見つからなかったので
1984年~2013年までの30年間の日照時間の平均です。

山梨が多いのはなんか意外。

素人がパッと見ても、直感的に

  • 日本海側 < 太平洋側
  • 北 < 南

という印象が見受けられます。
東北・北陸地方は日照時間も少なそうですね。

ちなみに、上の図は日照「時間」なので
東北や北海道などの高緯度地方は、太陽が出ている時間が少ないうえ
さらに日差しの強さ自体も弱いこと加味すると、
関東以南より明らかに太陽の光(日照量)が弱いと言えるのではないかなという個人的な仮説です。

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西日本は日照時間との関連性がバラバラ

とはいえ、西日本を見てみると
日照時間の多い宮崎や高知、三重、静岡が
自殺率がすごく低い、というわけでもなさそうですし
山陰地方の鳥取や島根がすごく悪いというわけでもなさそうです。

都道府県別の日照時間と
自殺率を比べた考察

都道府県別の日照時間と自殺率の図を比べてみると
日照量が低くかつ高緯度の東北・北海道地方は、自殺率がやや高く
日照不足と自殺の関係は少なからず関係があると言っても矛盾しない結果でした。

日照時間が長ければ長いほど
いいわけでもない

しかし、関東以南は何とも結論つけがたい結果でした。

高知や宮崎なんかは日照時間は長いですが
自殺率が低いというわけでもなさそうですしね。

日照時間が短い地域は
自殺率も高めだった

これは個人的な考えですが、
日照量が少ない高緯度地方ほど、日照量が少ないことがメンタル不調に関わっていそうですが、
日照量が多ければ多いほど良い、とは言い切れないような気がします。

つまり、日照時間の地図的には
メンタルを維持するのに十分な日照量の境目が
東北~関東あたりにきていそうな印象を感じます。

関東以南では、日照量が多ければ多いほど元気!というわけでもなく
メンタルを維持するための最低限の日照量は足りていて、
日照量とはまた別の要因が絡んでいるのかもしれません。
(以上はあくまで素人の見解です)

うつ病の原因のすべてが日照不足とは限りませんからね。

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日照時間=日照量ではない

また、調べたのは日照「時間」ですが
冒頭での沖縄と北海道の実験のように、
同じ日照時間でも、高緯度地方(北)より低緯度地方(南)のほうが日照「量」は多い(日差しが強い)でしょうし
時間の長さだけで測るのは難しいことも補足しておきます。

高緯度地方のロシアは自殺率が高い

ちなみに、高緯度地方のロシアは
国別自殺率(2016年)がワースト1位でした。
2016年のデータ

追記:著名人も指摘していた

ちなみに自殺の原因は「日照不足からくるビタミンD不足」というお話は
ひろゆきさんも指摘されていました。

https://youtu.be/ex6vwuOYUCs

気持ちが落ちるのは
気候が原因のこともある

何が言いたいかというと
自殺に追いやられるほど心が追い詰められる原因って
金銭的な事情だとか、どうにもならない事情ももちろんあるとは思いますが
自分が悪いとか以前に、こういう
環境要因も少なくとも関係しているのではないかという視点のお話をしたかったのです。

天気が悪いと心も沈みやすいのは、
案外気のせいではない

この結果を見て、南のほうに引っ越したらいいよ、という話ではなく
気分が落ちるのが、天気が悪い・日差しが少ないという不可抗力が影響している可能性があることを知っておくだけでも
少し気持ちが軽くなるのではないかなと思うのです。

つまり、落ち込むのは
「自分のせいだけではない」ということ。

自分を責める以外に対策の余地があるというのは
希望があるということでもあります。

ビタミンD不足を
予防する方法

では、日照量不足からくるビタミンD不足を防ぐ方法はというと、
一番手っ取り場合のは、日光に当たること。

日光浴が一番自然な栄養補給

冒頭にも書きましたが、
窓ガラス越しではなく、少しでいいので外の直射日光に当たりましょう。

なにも真っ黒に日焼けするほどじゃなくても、
洗濯物を干したり、ゴミ出しや散歩してみたりと
せめて数分間だけでも、外に出て日光を浴びるようにしてみるとよいですよ。

家の中で光を浴びる装置

とはいえ、日光浴のためだけに日焼けしたくなかったり
わざわざ家から出たくない、出られない方、
朝、部屋の日当たりや向きが良くない方には
家の中で光を浴びる光照射装置もあります。

ついつい夜更かししがち、朝なかなか起きられない方にもおすすめ。
家から出るにも、まずは起きなきゃないですしね。

光療法の標準器 高照度照明 ブライトライトME+ Brightlight ME+ ソーラートーン製

こんなもので…と思うかもしれませんが、
うつ病患者さんに日焼け装置を照射して、うつが改善したという実験結果もあるくらい
日光も大事な「栄養」なのです!

目覚まし時計のように、タイマー機能で毎朝一定の時間に光を浴びることで
朝スッキリ起きることができたり
朝のだるさや気分の落ち込みがラクになったというレビューもたくさん見ることができます。

アラーム付きで
朝の目覚めをお助け

ライトの色を調節できたり、
アラーム(音)機能付きのものもありました。

【日出/日没再現】 目覚ましライト ダブルアラーム 20段階調光 16段階音量調整 多機能 目覚まし時計 7色ライト変換 7種類の自然音 FMラジオ搭載 ベッドサイドランプ 卓上時計 ナイトライト 間接照明 常夜灯 アラーム

朝なかなか起きられない人におすすめ。
光と音の両方で起こしてくれますから、強力ですね!

うるさいアラーム音で起きるより、光で起きるほうがむしろ自然で
ストレスなく起きられるかもしれません。

薬のように体の中に直接何かを取り込むものではないので、体への負担も極小で、
精神科に行くほどでもないかなぁ…と迷っている方も、試してみる価値はありますよ。

「光療法」で検索してみると色々出てきます◎

日光が不足しがちな冬はサプリで補う

とはいえ、日照量が少ない季節や天気の悪い日に、
日に当たろうと思っても難しいですよね。

または、コロナ感染予防のため、外出規制されてしまっていることもありますし
長時間のデスクワークなど、ライフスタイル柄、外に出るのは無理だったり
紫外線にあまり当たりたくない方も多いでしょう。

冬の間など、日が出ていない、外出が難しい場合は
ビタミンDサプリを毎日飲んで「予防」するのがおすすめです。

 

ビタミンDサプリは、比較的サプリの粒が小さくて
サプリに慣れない方でも飲みやすいですよ。

ビタミンDは体に「貯蓄」できる

また、ビタミンDは脂溶性のビタミンで
コツコツ摂ることによって、体に蓄積することができます。

水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン。性質の違いと効率の良い摂り方のコツを解説します

もちろん、極端な取りすぎはよくありませんが
毎日コツコツ摂ることで不足に備えることができるので
特に天気や季節に気分が振り回されがちな方は、体にビタミンDの「貯金」を作るのがおすすめですよ。

まとめ:
原因を知って
適切な予防と対策を

ただ起きていることを嘆くだけではなく、
原因を知ることで、対処できることとどうしようもないことが明確になります。

やる気が出ない、だるい、気分が沈む、
朝起きられない、頭がボーっとする…

こんな悩みが「光」で少しでも解決できるのであれば、
ちょっと明るい希望が持てますよね。

もちろん、気分の落ち込みやうつ症状のすべてが日照不足とは限りませんが、
落ち込みやすい日を振り返ってみると「そういえば…」と心当たりがある方も、もしかしたらいるかもしれませんよね。

こうした一つの可能性を知ることで、
心身ともに抵抗力を底上げできる可能性が少なからずある、ということをお伝えしたくて記事を書きました。

少しでもできる対策があるなら、しておきたいものですよね。
どなたかのご参考になれば幸いです!

心の動きも化学反応。
メンタル底上げする栄養対策

他にも、心の抵抗力をつける方法や
手軽に栄養を摂る方法を色々ご提案しています!

自分満たしをしても虚しい理由。~心の体力が足りなければ、心の感度も落ちる~

薬ではなく、どうして食べもの?メンタルの健康に栄養が必要な理由と「感情の材料」。

思い当たる方は参考にしてみてくださいね。

記事の内容について

この記事は医療従事者が執筆していますが、あくまで個人の経験・体感をもとに書いたものであり、特定の疾病の診断や治癒、すべての方へ効果効能を保証するものではございません。
掲載内容の実践にあたっては一切責任を追いかねますので、内容をよく吟味のうえ、自己判断でお願いいたします。

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Author この記事を書いた人

モンド

不規則な食生活をきっかけに体調とメンタルがボロボロになった経験から、食が体に及ぼす影響の大きさを実感。
栄養医学を学んで、自分の体で試行錯誤しながら実践した体験記をブログにご紹介しています。本業は医療従事者。

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